「セクシャルバイオレットNo.1」(セクシャル・バイオレット・ナンバーワン)とは、ロックユニット「B’z」のカバー曲。2021年7月14日発売の松本隆トリビュートアルバム『風街に連れてって!』に収録された。原曲は、桑名正博が1979年7月21日にリリースした通算4枚目のシングル曲。
制作エピソード
トリビュートアルバム制作中に作曲家の筒美京平が逝去。そこでアルバム中に1曲、筒美作曲の曲を入れたいと考えるようになった。
そして思い付いたのが、松本隆の初チャート1位獲得作品であり、これまでにあまりカバーされてこなかったと自身が感じた「セクシャルバイオレットNo.1」。また、カバーするアーティストを想像した時に真っ先に思い付いたのが、「B’z」であったという。
亀田はオンラインミーティングでスタッフに対し、カバーアーティストにB’zを提案。しかしスタッフは、実現困難だろうと難色を示すような雰囲気であった。ところが亀田はこれを受けて、自身がB’zと積み上げてきた関係があるから任せてほしい、とフォロー。現に亀田とB’zには、亀田のラジオ番組への出演、アルバム『NEW LOVE』へのレコーディング参加、またGLAY・TAKUROを交えた松本孝弘とのプライベートでの交友などが存在したのであった。
そこから亀田は、B’zに直筆の手紙を執筆。そのオファーの内容は、大御所アーティストにとっては異例である、楽曲を一曲に絞った(通常は複数曲を提案する場合が多い)ものだったという。
その2日後に、B’zのマネージャーが折り返しの電話があり、本人らが前向きな姿勢であることが明言。さらにその上で、その場にいた松本と稲葉浩志に電話が取り次がれ、そのまま当人たちと楽曲の打ち合わせを行うことができた。(この出来事は2020年12月頃であったという。)
さらに松本は電話口で、自身がかつて桑名正博のバックバンドで「セクシャルバイオレットNo.1」を何度も弾いていたことを告白。亀田はこの事実を知らなかったため、”音楽の神様がいるんだ”と鳥肌が立ったという。
また稲葉も、同曲が好きであり是非歌わせてほしい、とコメント。さらにシャウトを入れてもいいかなど提案も、行った。
そこから制作はスムーズに進行。特に稲葉は、ヴォーカルの仮テイクのデータを亀田に何度も送付したといい、亀田はこの姿勢を“チャーミング”だと感じたという。
また、楽曲は”B’z仕立て”にすべくできるだけシンプルにアレンジ。ヴォーカルとギターの各スペースを確保した。
ちなみにレコーディングには、亀田が以前、B’zに”とっておきの”日本人ドラマーとして紹介した、玉田豊夢が参加している。
収録作品
- 『風街に連れてって!』(2021年7月14日発売)(トラック数:06.)
※主要音楽ストリーミングサービスでも配信中
参加ミュージシャン・クレジット
- 作曲:筒美京平
- 作詞:松本隆
- Produced & Arranged by 亀田誠治
- Recording & Mixing Engineer:今井邦彦(OORONG-SHA)
- Assistant Engineer:澁谷駿介(prime sound studio form)、國土祐希(Mouri Artworks Studio)
- Recording at prime sound studio form
- Mixing at Mouri Artworks Studio
- Vocal & Guitar Recording Engineer:小林廣行(Being)
- Vocal & Guitar Recording at BIRDMAN WEST
- Vocal:稲葉浩志
- Guitar:松本孝弘
- Drums:玉田豊夢
- Piano:斎藤有太
- Bass:亀田誠治
- Trumpet:西村浩二
- Sax:山本拓夫
- Trombone:村田陽一
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