13日放送のフジテレビ系『バイキングMORE』で、ロックユニット「B’z」のワクチン接種証明書等やPCR検査陰性証明を活用したイベント開催の取り組みが紹介され、各専門家や小杉竜一(ブラックマヨネーズ)がそれぞれの意見を述べる場面がみられた。
番組では、ワクチンパスを巡り欧州各国で抗議デモが起きていることや、日本国民の半数がワクチン接種を完了したことなどを紹介。一方で日本のエンタメ業界の新たな取り組みとして、B’zがライブイベント『B’z presents UNITE #01』で行う事例をピックアップした。
伊藤利尋アナはまず『B’z presents UNITE #01』について、
- B’zが「単に無観客にするだけでは本来のコンサートの姿を取り戻す道程は遠くなる」という理由で約2年ぶりに有観客ライブを行うこと
- あくまで任意ではあるが、ワクチン接種証明書またはPCR検査陰性証明を提示するとステッカーをプレゼントする取り組みが行われること
- あくまで任意ではあるが、体調管理追跡調査を行いコンサート・エンターテインメント業界のデータとして保管し、今後のコンサート開催の参考資料とすること
- 政府の指針に基づき徹底した感染対策を行い、会場最大収容数の半分以下となる5000人の有観客で実施されること
という内容をフリップを用いながら説明し「ただやはりB’zがこうして動く意味というのは大きいのかなという風に思います。」とコメント。続いてMC・坂上忍が「任意というのはしょうがないことなんですけど、任意の限界もあるのかなという気がする一方、あの常滑のフェス(『NAMIMONOGATARI』)をいい教訓とするならば、やっぱり行政と連携して検証していくっていう時期に来てるのかなっていう気はするんですけど」と述べ、スタジオの専門家らに、話を聞いていった。
以下に、各出演者の間で行われた議論を記載する。
ジャーナリスト・鈴木哲夫氏「そういう意味では”実験”っていう言葉がいいかどうかわからないけども『社会実験』としてこういう形でやってみたらどうかと。いわゆるワクチン証明書、ワクチンパスポートとかも言われてるけど、これはやっぱり”これがあるならいいけどないならダメだ、そしたらワクチンを打て!”と強制に繋がっていくからなかなか難しいところがあると思うけど、これも任意っていうのが僕はいいと思うし。だからこの辺の例えば追跡調査のところなんていうのは結構お金がかかるじゃないですか。こういうのをだから政府がバックアップするような形で、それで次に活かしていく。こういうイベンターとか企業とか、例えばスポーツで言えばソフトバンクとかそうなんだけど、それぞれがみんな工夫してやっているんですね。(中略)お金があるからできるというのもあるんだけども、だけどそういうものが一つの例となって他にも真似できるように、そこをうまくお金かかる部分は政府が補助をして、こういうのを実験的に少しずつやっていくというのを僕はやった方が良いと思うんですけどね。」
坂上「行政の方が及び腰になる気持ちも分からないでもないんだけど、”いやもう中止にしてください”っていう要請をかけるのか、”いやもうチケット売っちゃったんだから”っていう対立構造じゃなくて、結局常滑(『NAMIMONOGATARI』)だって、何人か感染者出たってなっててもあれ追い切れてないわけだから。結局判明している人数だから実態なんて見えてないわけで。やっぱこれ小杉くん今後に関して、こういった形でチャレンジしていくっていうのはいいんじゃないですかね。」
小杉竜一(ブラックマヨネーズ)「自分たちだけのリスク考えたら(B’zはわざわざこのような取り組みをしないのではないか)。去年も無観客の配信ライブやらはったんですけど。ファンクラブでこのチケット4回ぐらいトライして全部落ちているんですけど。でも、自分のリスク考えたら無観客(でやるのではないか)、やっぱこう全体のことを考えてのチャレンジやと思うんで、参加する人はそのチャレンジに協力する意味も込めてちゃんとそういう任意(の協力)もやるべきやろうし。当日券とかも売ってないから(会場に)行ったらあかんし、ネットの販売はありますけど。あと音漏れを聴きに行こうみたいなファンとかもいるらしいんで、そんなんも、好きな人に迷惑かけへんって意味で、配信もありますから、ちゃんと普段とまた違うアプローチで、観る方も行った方がいいなと思うんですけど」
坂上「これだから吉田、B’zさんみたいにトップの人たちが先人切ってってやるのも、意義があるんだろうね」
吉田敬(ブラックマヨネーズ)「そうですよね。クラスターとかひょっとしたらあるかもわからん中このままじゃアカンやろ、っていうのでやってくださるっていうので。アツいから。だから小杉何でもB’zさん好きやのに、いったい何を学んでんのかなって。格好だけはマネするんですよ稲葉(浩志=Vo.)さんの。ジーパン履いてブーツ履いて。なぎら健壱さんにしか見えないんですよ。」
音楽評論家・尚美学園大学副学長 富澤一誠氏「B’zというスーパースターが音楽の新しい道筋を作るためにチャレンジしていることは評価できる」「『NAMIMONOGATARI』のクラスターがあって今世論から音楽業界が信用ならないと思われてしまって批判的な声が上がっているのは事実」(フリップでのコメント紹介)
昭和大学客員教授・二木芳人氏「皆さん仰るように私はこういう人(B’z)が積極的にこういう取り組みをしてくださるってことは非常にいいことだと思いますね。B’zのファンの方って少し年齢層高いんじゃないですか?(小杉が「いや、幅広く」と返答、またイントネーションを指摘。)僕らも昔カラオケでB’z歌ったことありますからね。(小杉と坂上が反応、曲名は”忘れた”とのこと。)そうすると僕らもそうですから、少しファン層の年齢が高いわけです。そうするとこういう呼びかけに対応してくださる方も多いんじゃないかなと思うので、是非そこで多くの人がそれに対応して頂きたい。ただ本当はやるからには、こういうところに補助金出して頂いて、検査も自費ですから。特に若い人なんか自費で検査して来るのは大変じゃないですか。ですからその辺を、来られた人たちに対してその場ででも抗原検査をすると。そういうところは自治体なり政府が補助金を出すという取り組みをされたらよりですね(良いのではないか)、どうせ将来色々実証実験すると言ってるんだから、こういうの(イベント)を是非活用されたらいいんじゃないかなという気はしますね」
坂上「あと一点ね、この一年半ぐらいずっと見てきて、国主導でやるものとこれ地方に任せてるのかっていうものの線引きがね、いまいち曖昧に映るところがあって、状況が悪くなると責任の押し付け合いをしているようなね。やっぱ任すんだったら任さなきゃいけないしっていう、あそこらへんどうなってるの?」
鈴木「結局は法律の建て付けもありますけれども、ここで大事なのはやっぱり主体は、一番住民に近い地方自治体。ここが一番わかるわけだから。そこを国は全面的にバックアップする。それともう一つやっぱり経済活動においては、B’zを経済活動と言っていいかわからないけども、企業自身がいろんなこと考えて努力しているわけですよ。地方自治体とそれから企業・イベンター、芸術の人たちとか、そういうところを主にして動いてもらって国は常にバックアップする、それでいいモノは全部国が吸い上げて、他の全部に広報すると”こういう方法があるんだよ”っていう。まさに連携ですよね。今国がやるべきは”国が国が”じゃなくて地方とか企業に先行させて、それをバックアップっていうのが、今一番国がやるべきことだと僕は思います。」
B’zの取り組みが紹介された時間は約10分にのぼった。B’zのワクチン接種証明書等やPCR検査陰性証明を活用した取り組みが、地上波で初めて本格的に取り上げられた瞬間だった。(取り組みがあること自体は10日放送の日本テレビ系『news zero』でも紹介された。)
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