2018年9月〜10月、時期としては、ちょうどB’z30周年にまつわる活動が終了しようとしている頃、Twitter上でとあるツイートが密かに話題となっていました。
話題となったのは、B’zの松本孝弘さんが『TAK MATSUMOTO』名義で2003年11月26日に発売した初の邦楽カバーアルバム『THE HIT PARADE』というアルバムについてのツイートです。
『THE HIT PARADE』とは、松本さんが幼少期に影響を受けた邦楽の楽曲を、同系列事務所に所属する女性歌手を中心としたボーカルをフィーチャーし、共にレコーディングしたものを17曲選び、カバーとして発表したアルバムです。(アルバムジャケットはハウリン・ウルフのアルバム『London Howlin’ Wolf Sessions』のオマージュ)
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沢田研二さんの『勝手にしやがれ』、久保田早紀さんの『異邦人』、山口百恵さんの『イミテーション・ゴールド』など、珠玉のヒット曲が多数カバーされており、B’zの稲葉浩志さん、ZARD、倉木麻衣さんなどが参加されています。
発売当初はオリコンチャート2位を獲得。約45万枚以上を売り上げたと見られており、カバーアルバムとしてヒットしたと言える成績を残しました。
そんな『THE HIT PARADE』発売から15年が経過。
B’zファンの間でも、そこまで大きく話題に上ることも少なくなったこのアルバムですが、収録曲の『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』 (ダウン・タウン・ブギウギ・バンド)を聴いたファンをきっかけに、急遽大きな話題を呼ぶことになったのです。
幻の『関西弁で歌う松本さん』
実は、以前のインタビューで、松本さんはアルバム制作の過程について話されていました。
その中で『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』制作時に、”関西弁バージョン”をレコーディングしたということを述べられていたのです。(※『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』は、アルバム内で唯一松本さんがメインボーカルを取った楽曲です。)
しかしそれは同時に、”お蔵入り”になったという旨も語られていました。
もちろん発売後我々のもとに流通してきたのは、通常の”標準語バージョン”の『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』が収録された円盤。
そして誰もがこの世の中で、”標準語バージョン”の『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』のみしか聴くことができないと思っていた矢先、2018年HINOTORIツアーでの物販でアルバムを購入したというファンの方々など数人が、”関西弁バージョン”の『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』が収録されていたという旨をツイートされたのです。そこから少しずつ、B’zファンの間で”関西弁の『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』”が本当に流通しているのではないか?と疑惑の声が上がり、徐々に話題となっていきました。
その後Amazonなどの通販サイトやCDショップで複数のファンの方が再度『THE HIT PARADE』の購入を試みて、”関西弁収録のアルバムだった!”という声が続々と上がり、疑惑は徐々に事実となっていきました。
しかし2018年10月頃のこの時点では、『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』の”関西弁バージョン”がどうやらあるらしい、という事実はほぼ確認できたものの、公式からの”声明”はなかったということになります。
ファンとしても、どこでどのようにCDを入手したら”関西弁バージョン”の音源が手に入るのか、そしてなぜ”関西弁バージョン”が突如流通するようになったのか、様々な点で非常に悩んでいたところだと思いますが、ファンの強い想い、そして複数の問い合わせがついにB’z公式サイドを動かします。
B’z所属事務所、松本さん関西弁騒動に『声明』を発表
2018年12月19日、B’zの所属事務所『ビーイング』の公式サイトで「『THE HIT PARADE』収録内容に関するお知らせ」というタイトルの記事が更新されました。以下引用させていただきます。
2003年に発売されましたTAK MATSUMOTOアルバム『THE HIT PARADE』の6曲目「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」につきまして、マスター作成の過程での過誤により、本来ストレートカバー音源(標準語バージョン)が収録されるべきところ、別音源(関西弁バージョン)に差し変わった商品が流通しておりましたことをご報告いたします。
また、関西弁バージョンの存在をお知りになった方々から、多くのお問合せをいただいております。思いがけず世に出ることとなった作品ですが、そのお声を受けて、本来の標準語バージョン収録商品と並行し、 関西弁バージョンを収録した商品の流通も継続となりましたことを合わせてお知らせいたします。
再流通についてご快諾いただきましたアーティスト並びに関係者の皆様に改めて感謝申し上げます。
2018年12月19日
ビーイング/バーミリオンレコード/バードマンマスタリング一同標準語バージョン収録商品と関西弁バージョン収録商品の見分け方につきましては、下記を参照ください。
http://beinggiza.com/topics/thehitparade.html
●「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」 標準語バージョン収録
品番:BMCV-8009/価格:2,913円+税
●「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」 関西弁バージョン収録
品番:BMCV-8009-K/価格:2,913円+税
■曲目シールの文字色はオレンジで共通となりますが、関西弁バージョンは右上に、関西弁バージョン収録告知シールが貼られています。
■商品は出荷中です。旧譜商品のためご希望の場合はCDお取り扱い店にてご注文ください。
なんと、ついにB’z公式サイドから、『THE HIT PARADE』収録曲の「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」が、マスター作成の過程での過誤により、ストレートカバー音源(標準語バージョン)が収録されるべきところ、別音源(関西弁バージョン)に差し変わった商品が流通していたという正式な発表が行われたのです。
さらに継続して2バージョンの並行販売を行うこと、購入時に見分けやすい表記にすることも発表され、ファンとしては非常に喜ばしい”事件”となりました。
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マスター音源作成時の何らかのミスで販売音源が差し替わり、それがプレスされ、市場に流通するというB’zとしては非常に珍しい事件。しかし結果として、B’zファンにとっては最高に嬉しいプレゼントがもたらされる出来事となりました。
以上、ご覧いただきありがとうございました。
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