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イナバ物置CMの社員の顔が全員B’z稲葉浩志に…衝撃の”公式コラ画像”が話題に

イナバ物置とB'z稲葉浩志がコラボした広告 面白い話題
読売新聞(2005年10月28日付朝刊)紙面より引用、筆者撮影

「やっぱりイナバ! 100人乗っても大丈夫!」ーこの印象的なテレビCMのフレーズは、今やほとんどの国民が知っていると言って過言ではないだろう。このCMは、イナバ物置を製造する「稲葉製作所」が1987年からオンエアしているものだ。

そして近年は、このCMで物置の上に座っているのが同社の社長と前年度の決算で営業成績の優れた建材業者や金物店など代理店の代表者であり、それぞれのポジションが成績順で決められている、ということが明らかとなり、この独特な手法が”面白い”と世間の話題をさらったのもまた記憶に新しい。

さて、そんな名物のイナバ物置のCMであるが、もし仮に、製品名と姓が同じB’zのロックヴォーカリスト・稲葉浩志がその中に登場したらーそう想像すると、おそらく、そのアイデアや出来上がったビジュアルの奇抜さ・ユニークさに、思わず抱腹絶倒してしまうことだろう。

だがしかし、実際に、そんな”まさか”のアイデアが、かつて実現してしまったのである。
筆者がまとめた。

B’zとイナバ物置&松本引越センターがコラボした広告が実現

B’zが2005年11月30日にリリースしたベストアルバム『B’z The Best “Pleasure II”』では、創意工夫溢れる様々なプロモーションが展開された。そしてその中で、2005年10月28日(金)付の読売新聞朝刊には、「松本引越センター」(松本引越センター株式会社)、「イナバ物置」(株式会社稲葉製作所)とB’zがコラボした見開き広告が、特別に掲載されたのである。

読売新聞(2005年10月28日付朝刊)紙面より引用、筆者撮影

この広告では、左側に松本引越センターの広告が掲載され、右側にイナバ物置の広告が掲載。ギター・松本孝弘が引越し作業員に扮し、そしてヴォーカル・稲葉浩志が社長以外の99人の社員に扮したのであった。

引越し作業員に扮し、電話を取る様子を見せるギター・松本孝弘 読売新聞(2005年10月28日付朝刊)紙面より引用、筆者撮影
B'zとイナバ物置のコラボ広告写真
稲葉製作所の社長とともに99人の社員に扮して写るヴォーカル・稲葉浩志 読売新聞(2005年10月28日付朝刊)紙面より引用、筆者撮影

このビジュアルは非常に衝撃的である。当時はもちろんSNSが普及していない時代だったが、もし仮に、現代にこのような類の広告が打たれたらー相当に”バズっている”のかもしれない。

 

第22回読売広告大賞「特別作品賞」受賞 読者からも高い評価

そしてなんと、この画期的な作品は第22回(2005年度)読売広告大賞「特別作品賞」(株式会社ビーイングギザ/バーミリオンレコード)を受賞。読者からの高評価もしっかりと獲得することとなった。
(また、ちなみに忘れてはいけないが、このB’zのベストアルバム『B’z The Best “Pleasure II”』は、見事ミリオンセールスを記録している。※2021年時点でB’zトータルで最後のミリオン作品となっている。)

なお松本孝弘は、広告が掲載された直後のファンクラブ会報誌インタビューで、この新聞のアイデアを聞いた際の当初の印象について「面白いな~と思ったよ。」とコメントした。

さて、いかがだっただろうか。メディア戦略に堅実的であるイメージの強いアーティスト「B’z」と、全く業種の異なる企業「松本引越センター」、「イナバ物置」のコラボは、大変興味深い事例であると言えよう。そして実はこのストーリーには、続きがある。

 

今度はマツモト物置がB’zにオファー!「物置界のB’z」日経新聞も取り上げる

2016年10月、今度はイナバ物置の代理店として長年トップの成績を記録していることでも知られる「マツモト物置」(フジ産業株式会社)が、Twitterで、B’zにあやかった画像付きのツイートを投稿した。

マツモト物置のツイートでは、

『いらない 何も捨ててしま・・・う前に物置の中に片付けませんか?』

マツモト物置とイナバ物置。
物置のB’z。

というB’zのヒット曲「LOVE PHANTOM」の歌詞をモチーフにしたフレーズが綴られ、さらにギターとマツモト物置、マイクとイナバ物置が登場する1枚の画像がアップロードされたのであった。
(また後日、B’zの人気曲「恋心(KOI-GOKORO)」の歌詞を彷彿とさせるフレーズとともに、物置の立ち位置を入れ替えた画像も投稿されている。)

このツイートは、広く拡散され、話題に。最終的には日本経済新聞によって、“物置界のB’z”として取り上げられることとなった。

ちなみにマツモト物置はこの時、B’zの所属事務所に松本・稲葉の写真掲載を依頼したそうだが、”丁寧なお断りの連絡を頂いた”(日本経済新聞の記事より)とのこと。

なかなかパロディー広告とは一筋縄ではいかないものだが、何が支持されるかわからないこの時代である。
今後の何かしらの機会にまた、再び『B’z The Best “Pleasure II”』の時のようなユニークな広告が展開されることを、密かに期待したいところだ。

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