「A型は几帳面」「O型は大らか」ー血液型と性格を結び付け、ついつい”血液型トーク”に花を咲かせてしまうー日本社会では、よく見られる光景だ。
そして、「僕は典型的なA型なんだよね。」ー1990年代初頭、あるロックギタリストは、自分自身について周囲にそう言い切っていた。彼の名は松本孝弘ーそう、B’zのギタリストである。
今回は、B’z松本孝弘の知られざる”血液型勘違い事件”について紹介しよう。(松本孝弘の実際の血液型は、「O型」である。)
B’z松本孝弘、衝撃の”血液型勘違い事件”
時は1992年。松本孝弘が31歳の時であった。
B’zはアルバムツアー『B’z LIVE-GYM ’93 “RUN”』を控えており、その前に、メンバー全員で健康診断を受けようという話が出た。
そこで松本は、ある医科大学に人間ドックを受けに行ったのだが、そこで、衝撃的な事実を知らされてしまう。なんと、「A型」だと思い込んでいた自分の血液型が、「O型」だと知らされたのだ。
そしてそんな衝撃の結果を聞いた松本は、1992年12月18日(金)放送の『ミュージックステーションスペシャル スーパーライブ’92』(東京ベイNKホール)の控室(ヒルトン東京ベイ=千葉県浦安市舞浜)にて、メンバーに”重大発表があります”と告げ、この事実を告白したのであった。
また松本は当時、”そんなはずがない”と疑い、再度かかりつけ医の下で診断を受けたという。結果はもちろんー「O型」であった。
このエピソードは、概要が何度か本人の口から語られており、ある意味でファンや当人たちにとっては有名なエピソードである。(なおエピソードの詳細は今回、ヴォーカル・稲葉浩志や元サポートベーシスト・アレンジャーの明石昌夫らの過去の発言を照合して記載した。)
もちろん、たまに自分の血液型を知らない人はいるし、稀に勘違いしている人だっているだろう。
しかし松本のケースの場合、完全に思い込んで、初期のファンクラブ会報誌にも「A型」と堂々と記載していた。メンバー・スタッフやファンなど多くの人々を信じ込ませていたことが、実に面白い。
勘違いの”原因”はビーイングの先輩・織田哲郎の発言か
ちなみに松本が血液型を勘違いしたのには、とある理由があるかもしれない、という。
前出の明石昌夫曰く、松本が以前、音楽制作会社・ビーイングの先輩にあたる作曲家・織田哲郎とレコーディングを行っている時に、松本のギターの音を聴いた織田が、「松本はA型っぽいギターを弾くなぁ~」と言ったとのこと。その時に松本は自分の血液型を「A型」と思い込んでしまったらしいのだ。ただそのエピソードを語った際、松本は同時に”そういえば昔子どもの頃「O型」って言われたような気がする…”とも漏らしたという。
”血液型勘違いエピソード”にこれほどまでの奥行きがあったとはー大変興味深いものである。
獣医と決めたら獣医、映画評論家と決めたら映画評論家、ギタリストと決めたらギタリストと、これまでに一度決めた目標に向かって真っすぐ歩いてきたように、自身の性格を”信じ込みやすい”と度々語っている、松本孝弘。
この”血液型エピソード”でも、そんな松本の純粋で真っ直ぐな一面が現れている、と言うことができるかもしれない。
また普段周囲から”しっかり者”と思われがちな一方で、時たま”うっかり”している部分を見せるのも、松本の大きな魅力の一つであると言えるだろう。
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