「B’zのLIVE-GYMにようこそ」(ビーズのライブジムにようこそ)とは、ロックユニット「B’z」のコンサートの序盤で、ヴォーカル・稲葉浩志が観客に向けて発する恒例の挨拶のフレーズ。このページでは、これに付随した各恒例の挨拶のフレーズについても記載する。
概要
コンサートの序盤、具体的には2曲目終了後・3曲目開始前などに行われる挨拶であり、ヴォーカル・稲葉浩志が何らかの演出を伴い、観客を焦らしつつ「B’zの…B’zの…B’zのLIVE-GYMにようこそ!」などと叫ぶパターンが定番である。しかし1曲目終了後や3曲目終了後にもこの挨拶が行われたこともあり、『B’z LIVE-GYM 2017-2018 “LIVE DINOSAUR”』北海道・北海道立総合体育センター 北海きたえーる公演(2017年12月14日・16日・17日開催)ではアリーナ形式であり他会場と同様のOP演出が出来なかったことから、稲葉の発案によって「B’zのLIVE-GYMにようこそ」と叫んでから1曲目に入り、また3曲目開始前にもう一度「B’zのLIVE-GYMにようこそ」と叫ぶという史上初のパフォーマンスが行われた。また、稲葉以外のメンバー(ギター・松本孝弘、サポートメンバー)もこの演出に参加したことがある。ちなみにこの挨拶によって観客らが何か特定の(お決まりの)リアクションを行う必要はない。
また、稲葉はこの時まだフリーのMCを行わず、4曲目や5曲目の終了後に「こんばんは。」などと言い始め、改めて観客に対して挨拶を行う場合が大半である。一方で、音楽フェスやコロナ禍の公演などでは、最初にフリーのMCによる挨拶を行った後に「B’zのLIVE-GYMにようこそ」に相当する挨拶が行われる場合もある。
「B’zのLIVE-GYMにようこそ」という挨拶は、いつどのようなきっかけで始まったのか
「B’zのLIVE-GYMにようこそ」という挨拶が生まれたタイミングやきっかけについては、メンバー本人らやスタッフらは記憶していない。また、明確な記録も残っていないものとみられる。ヴォーカル・稲葉浩志は『B’z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820- Day1』の特典インタビュー(2020年10月31日配信)にて、「”LIVE-GYMにようこそ”がいつからあの形になったか覚えていない。(Q:「さらっと言っていた?」)たぶんね。やっぱ、自分の中でどんどんイメージが勝手にこう、膨らんじゃうからさ、どんどん誇張する感じになって、今の挨拶になってると思いますけど」とコメントした。一方で、一番最初に行ったツアー『LIVE-GYM #00 “OFF THE LOCK”』で稲葉は、事前に用意していた「やっと会えたね。」という挨拶を述べた。
ちなみに当サイトが往年のファンらに取材したところ、『B’z LIVE-GYM “Pleasure’91”』で稲葉が「ようこそ!」とのみ述べていることが確認できることや(『JUST ANOTHER LIFE』にもその模様が収録されている。)、同ツアーにて挨拶を行った公演と行っていない公演があることが確認されていることから、現在の形の挨拶が定着したのは『B’z LIVE-GYM ’91~’92 “IN THE LIFE”』以降ではないか、という説が最も有力である。但しその原型となる挨拶が具体的にどの公演で初めて発されたのかは不明であるため、引き続き調査を続けていく。
その他(「B’zのSHOWCASEにようこそ」などの例外パターン)について
「LIVE-GYM」とは狭義ではB’zのライブの一形態を表すに過ぎない名称であり、またB’zは音楽フェスや対バン形式のイベント、協賛ライブにも出演しているため、公演によっては「B’zのLIVE-GYMにようこそ」以外の台詞による挨拶が行われる場合もある。今回はその具体例を、公演パターン別に記載する。
※SHOWCASE:「B’zのSHOWCASEにようこそ」
※小規模会場・地方都市などで行われる公演・ゲネプロ的公演
※UNITE:「B’z presents UNITEにようこそ」
※B’zが主催し他バンドと共演するいわゆる”対バン形式”のイベント。「Rock Project」。
※LIVE FRIENDS:「(通常のMC~)B’z presents LIVE FRIENDSにようこそいらっしゃいました。(~続きのMC)」(通常のMCのみ)
音楽フェス公演:「(通常のMC~)SUMMER SONICにようこそ。(~続きのMC)」(SUMMER SONIC 2019より)、「ROCK IN JAPANにようこそ」(ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017より)「RISING SUNにようこそ」(RISING SUN ROCK FESTIVAL 2017 in EZOより)など
※AEROSONIC:「(通常のMC~)AEROSONICにようこそいらっしゃいました。(~続きのMC)」(通常のMCのみ)
※エアロスミスとB’zのダブル・ヘッドライナーによる、いわゆる”対バン形式”のイベント。
協賛ライブ:「B’zの…ペプシの?やっぱB’zの…B’zの1DAY LIVEにようこそ」(PEPSI NEX presents B’z 1DAY LIVEより)、「B’zのPREMIUM LIVEにようこそ」(pepsi NEX presents B’z PREMIUM LIVEより)
海外公演:「B’zのLIVE-GYMにようこそ」(「Welcome to B’z LIVE-GYM」などの英語ではなく、通常通り挨拶している)
ファンクラブ・ハワイ公演:「B’zのPleasure in Hawaiiにようこそ」(B’z PARTY Presents B’z Pleasure in Hawaiiより)
など
主な「B’zのLIVE-GYMにようこそ」 演出の例
「B’zのLIVE-GYMにようこそ」という挨拶に明確なアレンジや演出が加えられるようになったのは、『B’z LIVE-GYM ’96 “Spirit LOOSE”』(台詞のアレンジ)、『B’z LIVE-GYM ’99 “Brotherhood”』(演出)からだと推測される。
今回はその歴代の演出の例を、ツアー公演別に記載する。
- 『B’z LIVE-GYM ’96 “Spirit LOOSE”』:稲葉が「あと何回、この言葉を言えば、俺は幸せになれるのだろう?」と言ってから「B’zのLIVE-GYMにようこそ」と叫ぶ。
- 『B’z LIVE-GYM ’99 “Brotherhood”』:稲葉がカメラマンを引き寄せ、紙コップの水を飲み干す。そして底に書いてある文字に気付いてから、「B’zのLIVE-GYMにようこそ」と叫ぶ。
- 『B’z LIVE-GYM 2001 “ELEVEN”』:「じゃあ今日も、コイツを言ってから、始めましょうか。」と咳払いをした後に過去の「B’zのLIVE-GYMにようこそ」と言い放つ映像がダイジェストで流れ、その後ステージ上の稲葉が「B’zのLIVE-GYMにようこそ」と叫ぶ。
- 『B’z LIVE-GYM 2002 “GREEN ~GO★FIGHT★WIN~”』:稲葉が台詞をド忘れして、サポートベース・ビリー・シーンが耳打ちしてから「B’zのLIVE-GYMにようこそ」と叫ぶ。
- 『B’z LIVE-GYM 2006 “MONSTER’S GARAGE”』:稲葉が「B’zの…」と言っている最中に、警備員と派手な格好をした女性が通路で揉めているのに気づく。その後カメラが寄ると女性の胸元と「B’zのLIVE-GYMにようこそ!!」というシャツの文字が映し出され、稲葉が「B’zのLIVE-GYMにようこそ」と叫ぶ。
- 『B’z LIVE-GYM 2008 “ACTION”』:開演前から会場を盛り上げていたスタントマンが上手舞台袖の高い位置に残っており、稲葉が「危ないよ」と注意。するとスタントマンが「Welcome to B’z LIVE-GYM」と書かれた横断幕を引っ張ってステージ下手に滑り降りてきて、稲葉が「B’zのLIVE-GYMにようこそ」と叫ぶ。
- 『B’z LIVE-GYM Pleasure 2008 -GLORY DAYS-』:稲葉が「B’zの…」と話し始めると、スクリーンにバンドメンバー(シェーン・ガラース、バリー・スパークス、増田隆宣、大田紳一郎)が「B’zの…」と言い、最後にツアートラックに乗った松本が「B’zの」と言う映像が流れる。その後にステージ上の稲葉が「B’zのLIVE-GYMにようこそ」と叫ぶ。
- 『B’z LIVE-GYM 2010 “Ain’t No Magic”』:稲葉が「B’zの…」と話し始めると、松本も「B’zの…」と対抗。何度か掛け合いをした後に、稲葉が「B’zの」と言い、「LIVE-GYMにようこそ」の部分を稲葉と松本が叫ぶ。二人が「B’zのLIVE-GYMにようこそ」と叫んだ演出は史上初めてだった。
- 『B’z LIVE-GYM 2011 -C’mon-』:ステージに抽選箱が用意され、稲葉がクジを引いていく。「B’zの」と書いてあるボールを引くと、それを観客に投げて「B’zの」と言い、「B’zのLIVE-GYMにようこそ」と書いてあるボールを引くと、「B’zのLIVE-GYMにようこそ」と叫んでそのボールを投げる。また途中には「ハズレ」のボールを引く場面もあった。
- 『B’z LIVE-GYM Pleasure 2013 -ENDLESS SUMMER-』:稲葉が「B’zの…」と言うと松本が咳払いし、稲葉が手に持っているものを引っ張ると「B’zのライブジムにようこそ」と書いてある連続旗が出てくる。それを二人で広げて稲葉が「B’zのLIVE-GYMにようこそ」と叫ぶ。
- 『B’z LIVE-GYM 2015 -EPIC NIGHT-』:ステージ上に「EPICブラ」が登場。稲葉が裏返すように指示すると背面に「B’zのLIVE-GYMにようこそ!」と書いてある電飾が現れ、それを確認した稲葉が「B’zのLIVE-GYMにようこそ」と叫ぶ。
- 『B’z LIVE-GYM 2017-2018 “LIVE DINOSAUR”』:スクリーンに喋るバーチャルの恐竜が登場し、いつもの台詞を言いたいと主張する。しかし要所要所を間違えてしまい、それを稲葉が都度突っ込む。最終的に恐竜が諦め、その後稲葉が「B’zのLIVE-GYMにようこそ」と叫ぶ。
- 『B’z LIVE-GYM Pleasure 2018 -HINOTORI-』:『B’z LIVE-GYM ’99 “Brotherhood”』の演出を踏襲。稲葉が直接紙コップに文字を書き入れるなど、計3パターンの演出があった。またこの演出に伴い、ツアーのガチャガチャでは使用した紙コップをデザインした「フィギュア 紙コップ」が発売された。
- 『B’z LIVE-GYM 2019 -Whole Lotta NEW LOVE-』:稲葉が「(首の皺などが)見えてますか?」と確認するも、観客は「見えて”ない”」と反応。その後スクリーンを使うよう稲葉が指示するも、画面がごく一部分しか使われていない状態になる。そこに、声援の大きさによってスクリーンの画面の大きさが比例するという演出が登場。稲葉の「B’zの…」という台詞に観客が盛り上がり、最終的に稲葉が「B’zのLIVE-GYMにようこそ」と叫ぶと、左右の縦長のスクリーンが全画面になる。
など多数(※ツアー内の各個別の公演によって、内容が異なっている場合あり)
誤記・正式な表記・英訳について
一部のファンや書籍が、「B’zのLIVE-GYMにようこそ」のことを「B’zのLIVE-GYMへようこそ」と綴っている(または発話している)場合があるが、これは完全な誤りであり、正しくは「B’zのLIVE-GYMにようこそ」である。
また各演出での道具を確認する限り、「B’zのLIVE-GYMにようこそ」の正式な表記は「B’zのLIVE-GYMにようこそ」「B’zのLIVE-GYMにようこそ!」「B’zのLIVE-GYMにようこそ!!」などであり、これを英訳すると「Welcome to B’z LIVE-GYM」になるものとみられる。
演出のオマージュについて
B’zのライブを象徴する”お決まり事”でもあるため、ファンの著名人らが「B’zのLIVE-GYMにようこそ」のオマージュを披露することも多い。今回はその一例を掲載する。
- ゴールデンボンバーが、『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017』のステージ(2017年8月5日開催)でギター裏に貼った「ゴールデンボンバーのLIVE-GYMへようこそ!!」と書いた紙を観客に見せるなどの演出を行った。
- EXITの兼近大樹が、これまでにテレビ番組『THE MUSIC DAY』『UTAGE!夏の特別編!~お笑い芸人が本気で歌ってみた~4時間SP』などで楽曲のパフォーマンスの前に「EXITのLIVE-GYMにようこそ!!」と叫んだことがある。
- 『B’z presents UNITE #01』横浜公演でGLAYが用意したオープニングムービーにて、TAKUROが「GLAYのLIVE-GYMにようこそ」と語った。
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