2023年7月15日放送のエフエム滋賀『OLDIES GOODIES』にて、音楽プロデューサーの長戸大幸氏が「B’z」の名前の由来について改めて、自らの口で説明した。
長戸氏は番組内で、次のように述べた。
「バンドって作るのはいいんだけど、デビューしたアーティストに商標登録を取らなきゃならないから、これがまた数多くやってるもんだからめっちゃ金掛かるんですよ。1個の商標登録取るのに1年で10万円。1バンドでTシャツ、レコード、写真集、本とか10個くらい商標登録取らなきゃまずいんですよ。そうなると売れもしてない人も含めて毎年100万円くらいかかる。この商標登録をなんとか回避したい。当時お金そんなになかったですから。誰かが商標登録取って発売できない方が嫌、なんでも発売できるようにしたかったという意識があって。ちょうどその頃『JR』とか『JT』とか出てくるんですね。なんか頭文字2つ3つくらいまでだったら、商標を取らなくても大丈夫らしいんですよ、今はどうかわからないんですけど、字のイメージとかもあるかもしれないけど。当時はそれで、じゃあもうバンド名はいっぺん頭文字でやってみようと。どうせなら『A』から『Z』なんで『A’z』で、『アズ』と呼んでたんですよ。『エイズ』に間違えられると思ってやってたんだけど、たまたまその時テレビで、ロート製薬の『AtoZ』のコマーシャルがバンバン流れてる。これではちょっと『A』『Z』はまずいなというんで、いきなりまた『B』『Z』に変えた。で『B’z』になったんですよね。で、なんで『B’z』になったんだということになるんで、一人が『The Beatles』が好きで一人が『Led Zeppelin』が好きだということにしようよ、という形で『B’z』になった。」
また長戸氏は、B’zのコンセプトやB’zをレコード会社『BMGビクター』に売り込んだ経緯について、次のように語った。
「B’zって、僕元々きっかけ日本の『ホール&オーツ』(=ダリル・ホール&ジョン・オーツ(Daryl Hall & John Oates)を作りたかったっていうのもあって。見たらわかると思うんですけど、B’zってよく考えたら『ホール&オーツ』に似てるんですね、イメージが。顔といい、格好といい、身長差といい、ギタリストが後ろで弾いてて前にリードヴォーカルがいる、これもまさしく『ホール&オーツ』そっくりだったんで。これどこに持っていったらレコード出せるのかなみたいな考えでレコード会社を調べたところ、洋楽が『BMGビクター』だったんですね。それでBMGビクターに持って行って、”日本のホール&オーツやりたいんですけど”って言ったら、誰も乗ってくれなかった。結局デビューしてから絶対『ホール&オーツ』だと言わなくなりました。本当に『ホール&オーツ』だと思われるのが嫌だったんで。確か『オフコース』もデビューしたとき”日本のカーペンターズ”とか言ってた気がするんですよジャケットで、そういう古い時代だったんで。ところがたった一人、取締役くらいの偉い人が乗ってくれた、というか親しくなって。彼の家族と一緒にハワイまで行ったり、家まで紹介したり、色んなことがありました。それで親しくなることで始まったんですね。ついでに『Rhisome(リゾーム)』というレーベルを作らせてもらって、『渚のオールスターズ』で溢れた人たちを呼んできて、『B.B.クイーンズ』になるんですけどね。結果的にB’zもうまくいき、Rhisomeレーベルからは「おどるポンポコリン」ができ、結果的に上手く行ったんですけどね。その頃からですよ、本当にレコード会社作ってやろうと思った。」
これらのエピソードは、これまでにWEB上で公開された長戸氏の対談記事や同番組内で語られているものではあるが、改めて詳しく言及された格好となった。
コメント