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B’zと東日本大震災について

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東日本大震災の発生から、2021年3月11日で丸10年が経過した。
この節目に多くの人々が改めて震災を振り返り、被災者に哀悼の意を捧げたことだろう。

そこで今回は、日本を代表するミュージシャンである「B’z」と「東日本大震災」について、筆者が改めてまとめた。

東日本大震災発生当日のB’z

2011年3月11日。東日本大震災が起こったこの日、B’zは、オリジナルアルバム(後にリリースされる18枚目『C’mon』)のレコーディング期間中だった。

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震災発生時、B’zのヴォーカル・稲葉浩志は東京のスタジオで、ヴォーカルレコーディング中。
またギター・松本孝弘は、偶然オフの日であり、国内のゴルフ場にいたという。

稲葉はスタジオで地震に遭遇し、一度作業を中断。揺れが収まるのを待ってから再度スタジオに入ったが、再び揺れを感じたため、作業を再度中断することとなった。そして外に出てみると、スタジオの向かい側の公園に人が集まり木々が揺れているという様子を目撃し、思わず足がすくんだという。

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その後、稲葉はそのまま自宅に帰ることとなり、最終的にはB’zとしてのアルバム制作も、中断。
当時日本全体が様々なイベント、エンターテインメントの活動などを中止・延期にせざるを得ない状況となったが、 B’zもまた、自分たちのできることについて、相当に悩んだという。

しかし一方で、当人達で熟慮や話し合いを重ねた結果、”B’zにできることは音楽しかない”という結論に到達。(またその想いへ至る過程では、後述のチャリティーアルバムへの参加や番組への出演の機会に、影響を受けたという。)その後アルバムレコーディングを再開し、同年、アルバム『C’mon』のリリースや、北米ツアー『B’z LIVE-GYM 2011 -long time no see-』、全国ツアー『B’z LIVE-GYM 2011 -C’mon-』の開催、『Music for Relief – Secret Show for Japan』への出演などを行っていくこととなる。

2011年4月1日、「ミュージックステーション」出演。サポートメンバーも来日

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2011年4月1日、B’zはテレビ朝日系音楽番組「ミュージックステーション」に、約3年半ぶりに出演。同番組では、当時の最新シングル「さよなら傷だらけの日々よ」と「Brotherhood」の2曲を演奏した。

稲葉は番組内で、特別に「Brotherhood」を選曲した理由について、「曲としてはもう(19)99年にリリースした曲なんですけども、当時『離れていても繋がっている仲間』みたいなものをテーマに作りまして、今歌わせていただけるんだったらこれだなということで選ばせていただきました。」とコメント。またさらに演奏時には「Brotherhood」の歌詞が一部改変され、アレンジされた歌詞は、以後のライブでも、そのまま歌われるようになった。

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うまくいってるかい なかなか大変だよな 全く
こっちだって 誰もが毎日クタクタになってる

B’z「Brotherhood」の変更された歌詞 作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘

また、番組には、当時B’zのサポートメンバーとなっていたドラマーのシェーン・ガラースと、ベーシストのバリー・スパークスが出演。両者は、福島第一原子力発電所事故の影響で東北地方や首都圏での状況が危険視されていた中で、アメリカから番組パフォーマンスのために、来日した。

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2011年7月27日、アルバム『C’mon』のリリース “ゆっくりでいい さぁいきましょう”

そして2011年7月27日、東日本大震災発生後に新たに制作された楽曲「C’mon」と「ボス」が収録曲に加えられ、アルバム『C’mon』がリリース。

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作詞を担当した稲葉浩志は、当時人それぞれの置かれている境遇が違うため、楽曲の中で送りたいメッセージを決めるのも非常に難しかったという。しかしその中で「C’mon」というフレーズを紡ぎ出し、リスナーに届けた。

もう一度笑いあおう 愛しい人よ
掠れそうな声でいい 聞かせて
止まらない それだけで生まれるチャンス
口笛でも吹きながら
ゆっくりでいい さぁいきましょう C’mon

B’z「C’mon」 作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘
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「ゆっくりでいい さぁいきましょう C’mon」(B’z「C’mon」作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘

このフレーズに、どれほど多くの人々が励まされただろうか。
B’zは震災を受けても、音楽をツールとして、想いを伝え続けた。

2011年8月31日、LINKIN PARKとB’z、ロサンゼルスで震災支援ライブ

2011年8月31日、B’zは、米・ロサンゼルスで行われたLINKIN PARK主催のライブ『Music for Relief – Secret Show for Japan』に、スペシャルゲストとして出演した。

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このライブは、LINKIN PARKが2004年に設立した被災地支援団体「Music For Relief」の活動の一環として行われた、東日本大震災で被災した日本の子供たちを支援するためのイベント。
特設サイトにて自分の個人のページを設定し、募金活動を行って目標金額500ドルを集めた最初の500人が、プラス1名とともにライブに招待される、という形式のものとなっており、最終的には目標金額を上回る35万ドル(当時約2700万円)もの寄付金が集まった。
なおこのライブでの収益金は全額、国際援助団体(NGO)セーブ・ザ・チルドレンへと寄付され、その結果仙台周辺の小学生に対して、新学期に向けての準備としてランドセル5000個や給食などが支給されている。

また、同ライブの開演前にはLINKIN PARKとB’zによる記者会見が行われ、両者が、協力した人々に謝意を述べるとともに、活動に至るまでの経緯やその趣旨について語った。

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B’zは2011年3月に、同団体がリリースした配信アルバム『Download To Donate For Japan』(同団体に収益100%を寄付するチャリティ・配信アルバム)に楽曲「Home」を提供。そしてこのことがきっかけとなり、B’zはLINKIN PARKのメンバーと直接会って寄付金集めのアイデアを聞き、さらに、『Secret Show for Japan』出演のオファーを受けたという。

▼当時の記者会見の様子

ちなみにLINKIN PARKとB’zには、2009年に行われた日本のロックフェス「SUMMER SONIC 09」で共演して以来、交友関係があった。

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2011年9月から12月にかけて、全国ツアー「B’z LIVE-GYM 2011 -C’mon-」がスタート 宮城公演から 寄付も

そして2011年9月17日から12月25日にかけて、B’zはアルバム『C’mon』を引っ提げた全国ツアー『B’z LIVE-GYM 2011 -C’mon-』を開催。同ツアーは、被災した宮城県にある「セキスイハイムスーパーアリーナ」の公演(9月17日、18日)からスタートし、このことを告知する新聞広告が、2011年7月20日付の読売新聞朝刊に掲載された。

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この九月、我々のツアーが宮城からスタートできることになりました。
デビュー以来、ずっと応援していただいた街が震災により大きな被害を受け、正直茫然としましたが、
また我々の音楽を届けに戻れることに喜びを感じているとともに、会場の復旧に協力していただいた皆さんに心から感謝します。
当日は最高のショーにするべく、精一杯演奏したいと思います。

B’z 松本孝弘 稲葉浩志

出典:2011年7月20日付読売新聞朝刊に掲載されたB’zからのメッセージ

なお同宮城公演は、全収益金が寄付される「復興支援ライブ」として開催。
また9月17日の宮城初日公演で稲葉浩志は、観客に次のように語り掛け、喝采を浴びた。

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大変だったなぁ…大丈夫…B’zが来たから。

稲葉浩志による宮城公演初日のMC

※ライブツアー映像作品のエンディングにも同MCが収録。

稲葉はこの宮城公演について、励ますつもりでライブをしに行ったにも関わらず、逆にオーディエンスから勇気付けられた、という旨を、後のインタビューで何度も語ってきた。
さらに、”公演が始まった瞬間は忘れられない”、”歓声を聞いて、自分たちはこれをやるべきだということを確信できた”という発言も行ったことがある。
その意味では、この宮城公演で、B’zとオーディエンスはそれぞれに大きな影響を与え合ったのだろう。

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なおツアー全体では、宮城公演の収益金全額、全公演の収益金の一部、全公演会場で販売したチャリティーグッズの収益金全額の合計6,430万円が、東日本大震災で被災した子ども達のために、公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンや特定非営利活動法人チャイルド・ファンド・ジャパンに寄付されている。

B’zは寄付金活動を継続的に実施 合計金額は約1億7千8百万円

ちなみにB’zは、2011年以降、現在に至るまで毎年継続して、チャリティーグッズ販売などによる収益金の寄付活動を、実施してきた。

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B’zはツアー毎にチャリティグッズを制作し、その収益額の全額を、被災した子どもたちのために、公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンなどに寄付。

また、2016年以降は寄付金が、熊本地震、平成30年7月豪雨、令和元年台風19号、新型コロナウイルス感染症などで被災した人々にも、使用されることとなった。

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現在までのB’zの寄付金合計金額は、 ¥178,818,000(2020年12月時点)。
(B’zオフィシャルサイトでの寄付金活動報告ページはこちら

震災から10年が経過した今も、B’zは変わらずに、自分たちにできることを継続している。

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