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B’zはライブで原曲キーで演奏しているの?キーを下げてるの?徹底解説

B'zの配信ライブステージ写真 面白い話題
画像出典:B'z公式Instagramの投稿より引用

日本の音楽シーンで、30年以上にわたって圧倒的な実績を残し続けている、ロックユニット「B’z」。彼らの最大の特徴は、そのエネルギッシュな楽曲やライブパフォーマンスだと言って差し支えないだろう。
そしてその中でもとりわけ、ヴォーカル・稲葉浩志のハイトーンボイスは多くのリスナー、そしてオーディエンスを魅了し続けており、全国ツアーが開催される度に数十万人の人々が、彼の熱い歌声を聴きに集う。

さて、そんなB’zは、デビューから長年が経過した今現在も、自身の楽曲を”原曲キー”(CD音源と同じキー)で歌って(演奏して)いるのだろうか?筆者が解説する。

B’zはライブで楽曲を原則、原曲キーで演奏している

まず結論を言うと、B’zは現在もなお、自身の楽曲を原則、原曲キーで歌って演奏している。

また敢えて踏み込んで言及すると、稲葉浩志は、歌う際にフェイクなどを用いる回数が比較的少ないヴォーカリストだとも言える。つまり、ライブでCD音源の主旋律と異なる歌い方をする機会は少なく、また、サビの部分を丸ごと観客に歌わせる、などといったケースもない。もちろん、その時々でシャウトやアドリブ、歌のアレンジ、オーディエンスの煽りなどを加えることはあるが、稲葉浩志のヴォーカル・スタイルは、概ね原曲に忠実であると言えよう。
よって基本的に、B’zのライブでは、CD音源にかなり近い状態の歌を聴くことができる。

 

一方で、ごく稀にライブでキー変更されて演奏された楽曲もある

さて一方で、これまでにはごく稀に、B’zのライブで楽曲がキー変更されて演奏されたこともあった。それはいったいなぜなのか。理由は、主に以下の通りである。

  • 前後の楽曲のチューニングが半音下げ、全音下げなどであった場合にそのまま演奏した方が都合が良いから
  • その楽曲の(その時点での)聴こえ方に相応しいと判断されたから。

つまり基本的には、稲葉浩志の発声の限界によって曲のキーに変更が加えられることは、現状でははほとんどない。あくまでライブで最善のパフォーマンスを届けるためのアレンジの一環としてキー変更が行われている、という次第である。

以上のことを踏まえつつ、ここからは、”B’zのライブでキーを変更して演奏された楽曲”をまとめてみようと思う。以下にあいうえお順で解説する。

 

ARIGATO(半音下げ)

「ARIGATO」(2004.09.01 37th SG)は、リリース当時のテレビ出演時の演奏や、(「ミュージックステーション スーパーライブ2004 in さいたま」(2004))ライブでの演奏(『B’z SHOWCASE 2007 -19-』(2007)、『B’z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820- Day4』(2020))でも、一貫してCD音源と比較して半音下げ(原曲が半音下げチューニングのため全音下げチューニング)で演奏されてきた。

この理由については公には語られていないが、この楽曲自体が様々なアレンジバージョンを経てリリースされたものであることから、”このキーが楽曲の演奏に最も適している”と本人たちによって判断されている可能性が高いのではないだろうか。原曲キーでも、ヴォーカルのトップの音はフェイクを除けばhiDまでであり、稲葉の声域の上限には全く至らないため、発声上の問題とは考えにくいだろう。(敢えて言うなら、サビの「歩き続けた先に~」の冒頭でhiDが突発的に出ることと、「光~」でhiB♭を伸ばす部分があることは負担になる、とも言える。)

 

恋じゃなくなる日(半音下げ)

「恋じゃなくなる日」(4th MINI AL『FRIENDS』1992.12.09)は、リリース後のツアー『B’z LIVE-GYM ’93 “RUN”』(1993)では原曲キーで演奏されたが、『B’z presents LIVE FRIENDS』(2021)では半音下げで演奏された。その理由は現時点では不明。なお同曲に連なるインストゥルメンタル「Love is …」も、同様に半音下げで演奏された。

 

Survive(半音下げ)

「Survive」(9th AL『SURVIVE』 1997.11.19)は、リリース当時のツアー『B’z LIVE-GYM ’98 “SURVIVE”』(1998)での演奏時には原曲キーで披露されたが、2013年の『B’z LIVE-GYM Pleasure 2013 -ENDLESS SUMMER-』(2013)では、半音下げバージョンで披露された。この理由については公言されていないが、基本的には半音下げチューニングで披露された前の楽曲「パピネス」(後述)に続いて演奏された影響があるものと推測される。

また一方で、原曲を聴けば分かるがこの楽曲はバラード曲でありながらもキーが高い曲である。よって、その時点での”バラード楽曲としての聴こえ方”に最も適したキーを選んだ、という見方もできなくはないだろう。

 

Juice(英語バージョン)(半音下げ)

29th シングル「juice」はライブにおいて原曲キーで演奏されてきたが、英語版の「Juice」(DIGITAL AL『B’z』 2012.07.25)は、2011年の北米ツアー『B’z LIVE-GYM 2011 -long time no see-』や2012年の全米ツアー『B’z LIVE-GYM 2012 -Into Free-』などではCD音源と比べて半音下げで演奏された。これは、両ツアーで一つ前に披露された「Into Free -Dangan-」(DIGITAL SG「Into Free -Dangan-」 2012.04.04)が半音下げチューニングで演奏される楽曲であることに起因しているものと思われる。そして以降のツアーで、英語バージョンの「Juice」が披露されたことはない。一方日本語バージョンは、一貫して原曲キーで演奏されている。

これらを踏まえて敢えて言うなら、英詞バージョンの楽曲で半音下げにトライした、ということなのではないだろうか。今後も基本的には、日本語バージョンでは原曲キーでの演奏が続くものと思われる。

spirit loose(半音上げ)

「spirit loose」(8th AL『LOOSE』 1995.11.22)は、リリース当時のツアー『B’z LIVE-GYM ’96 “Spirit LOOSE”』(1996)にて「ザ・ルーズ」と続けて演奏された際に、原曲より半音高いアレンジで演奏された。理由は明らかにされていないが、続いてレギュラーチューニングの「ザ・ルーズ」が演奏されたため、「spirit loose」の半音下げチューニングを上げて演奏した可能性が考えられる。(以後同曲は演奏されていない。なおミュージックステーション1995年11月24日(金)放送回での披露時(「LOVE PHANTOM」とのメドレー)は、原曲キーでの披露となった。)

ちなみに、「spirit loose」を原曲より半音上げて演奏した場合、トップのキーは「hiG」になる。

NEVER LET YOU GO(半音下げ)

「NEVER LET YOU GO」(2nd AL『OFF THE LOCK』 1989.05.21)は、リリース以降原曲キーで演奏されていたが、ツアー『B’z LIVE-GYM ’91~’92 “IN THE LIFE”』(1991~1992)で原曲より半音下げてアコースティックバージョンで演奏された。なお同曲は以後ライブで演奏されていない。

この楽曲に関しては、原曲のキーも低いため、あくまで同ライブツアーでのアレンジ上の判断で半音下げられたと見てよいだろう。

BAD COMMUNICATION(半音上げ)

「BAD COMMUNICATION」(1st MINI AL『BAD COMMUNICATION』 1989.10.21)には、主に2つのキーパターンがあると言ってよい。原曲は半音下げチューニングだが、8th アルバム『LOOSE』(1995.11.22)収録のバージョン違い「BAD COMMUNICATION (000-18)」ではレギュラーチューニングで演奏されている。またライブでも、『B’z LIVE-GYM Pleasure ’93 “JAP THE RIPPER”』、『B’z LIVE-GYM 2006 “MONSTER’S GARAGE”』などでは原曲のアレンジバージョンでレギュラーチューニング(つまり半音高いキー)で演奏されたほか、『B’z LIVE-GYM ’94 “The 9th Blues”』『B’z LIVE-GYM Pleasure ’97 “FIREBALL”』では、”(000-18)”のテイストを採り入れたアレンジで、レギュラーチューニングで演奏されている。一方で、それ以外のツアーでは基本的に半音下げチューニング(原曲キー)で演奏されてきた。(また松本孝弘が、かつてインタビューで稲葉に黙ってこの楽曲のキーを変更して演奏するというイタズラをライブ本番で行った旨を語ったこともある。)

上記の要素から、「BAD COMMUNICATION」には2つの演奏キーがあるとも言うことができるが、近年の演奏実績(数年に1回かつ原曲キー通りの演奏)を見る限り、今後通常バージョンで披露される際には原曲のキーで演奏される可能性が極めて高い、とも言えるだろう。

ハピネス(半音下げ)

「ハピネス」(9th AL『SURVIVE』 1997.11.19)は、リリース当時のツアー『B’z LIVE-GYM ’98 “SURVIVE”』(1998)での演奏時には原曲キーで披露されたが、2008年のツアー『B’z LIVE-GYM 2008 “ACTION”』では、約20年ぶりに、半音下げでアコースティックアレンジにて演奏された。そして2013年のツアー『B’z LIVE-GYM Pleasure 2013 -ENDLESS SUMMER-』(2013)では、通常のアレンジで半音下げにて演奏されている。

この楽曲のキー変更の理由も定かではないが、原曲では主にサビのキーが高い曲である(原曲のトップキーはhiC)ため、”バラード楽曲として相応しいキー”として半音下げた可能性が高いだろう。

F・E・A・R(半音下げ)

「F・E・A・R」(10th AL『Brotherhood』 1999.07.14)は、リリース当時のツアー『B’z LIVE-GYM ’99 “Brotherhood”』(1999)以降原曲キーで演奏されていたが、『B’z LIVE-GYM Pleasure 2013 -ENDLESS SUMMER-』(2013)で初めて半音下げアレンジにて演奏された。これに関しては、前曲の「Q&A」が半音下げチューニングであることからそのまま演奏された可能性が高い。一方、その年開催の『B’z Special LIVE at EX THEATER ROPPONGI』(2013)では原曲キーで披露されている。

また、最新の『B’z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820- Day3』(2020)でも、約7年ぶりに原曲キーで演奏された。

Brighter Day(半音下げ)

「Brighter Day」(14th AL『THE CIRCLE』 2005.04.06)は、リリース後に『B’z NETWORK LIVE in Japan』(2006)で初めて、原曲キーで演奏されたが、その後演奏機会がなく、2012年のツアー(『B’z LIVE-GYM 2012 -Into Free-』など)で約6年ぶりに、今度は半音下げで披露された。

この理由についても言及されていないが、同曲も、バラード楽曲でありながらキーが高い楽曲である。そのため、やはり”バラード楽曲の聴こえ方”という観点で最適なものと判断されたのではないだろうか。上記楽曲リストを振り返って見ると、このように、特に2010年前後のツアーで、バラードを楽曲中心に一部キーの変更が試みられた形跡が見られる。「Brighter Day」は演奏頻度の少ない楽曲ではあるが、今後演奏される際には、原曲より半音下げで演奏される可能性が高いのではないだろうか。

僕の罪(全音下げ)

初演奏となった『B’z presents LIVE FRIENDS』(2021)で、全音下げで演奏された。その理由は現在のところ不明。なお次の曲の「恋じゃなくなる日」も、先述の通りキーをアレンジして演奏(半音下げ)された。

 

まとめ

以上が、これまでにB’zのライブでキーを変更して演奏された楽曲のリストである。(「もう一度キスしたかった」@『B’z LIVE-GYM Pleasure ’92 “TIME”』は1番サビのみ転調なしアレンジのため割愛、CRAZY NIGHT(LOUDNESSのカバー、@『B’z Special LIVE at EX THEATER ROPPONGI』)はカバー曲のため割愛。)いかがだっただろうか。

30数年間の活動の中でキー変更された楽曲が数えるほどしかないという事実から、B’zがいかに日ごろ鍛錬を積んでハイクオリティのパフォーマンスを維持してきたかということの一端が、お分かりいただけたのではないだろうか。またライブが開催される機会があったら、是非B’zの楽曲を生で体感してほしい。

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