2019年12月3日(火)、日本を代表するロックバンド「L’Arc~en~Ciel」が、8時より放送のフジテレビ系朝の情報番組『とくダネ!』放送枠でテレビCMを解禁し、数日前から告知していた「ラルク、解〇。」というメッセージの内容を一部明らかにしました。
L’Arc~en~Cielは1998年7月にリリースした大ヒットシングル「HONEY」「花葬」「浸食 -lose control-」3曲のミュージックビデオをYouTubeで解禁。 (12月11日に新たな情報が解禁される模様)これによってインターネット上では、「#ラルク解_」というハッシュタグや「ラルクのCM」というワードがトレンド入りを果たしています。
さて、そんな伝説のロックバンド「L’Arc~en~Ciel」ですが、日本を代表するロックユニットである「B’z」もまた、日本の音楽シーンを長らく牽引してきたという意味では共通点を多数持ったアーティストと言えるでしょう。
そこで今回は、「B’z」と「L’Arc~en~Ciel」の関係性について時系列でまとめさせていただきたいと思います。
宜しければ是非ご覧ください。
【B’zは1988年、L’Arc~en~Cielは1994年】メジャーデビュー、後に数多くのヒット作
B’zは1988年9月にシングル「だからその手を離して」とアルバム『B’z』の同時リリースでデビュー。一方L’Arc~en~Cielは1994年7月にビデオシングル「眠りによせて」のリリースでメジャーデビューしました。
B’zは1988年5月にギター・松本孝弘さんとヴォーカル・稲葉浩志さんがデモテープを通じて出会い、レコーディングに入ったのに対して、L’Arc~en~Cielは1991年2月頃にベース・tetsuyaさんを中心とした前身のバンドを結成し、関西を拠点にインディーズで活動されていたということです。
B’zは1990年6月に5thシングル「太陽のKomachi Angel」が初のオリコンチャート1位を獲得すると、1991年3月リリースの8thシングル「LADY NAVIGATION」で初のミリオンヒットを記録。以降1996年5月リリースの20th シングル「Real Thing Shakes」まで13作連続ミリオンヒットを記録し、1998年にリリースしたベストアルバム『B’z The Best “Pleasure”』『B’z The Best “Treasure”』が合計約1,000万枚のセールスを記録するなど日本の音楽シーンでの地位を不動のものにし、2019年までにシングル15作品、そしてアルバムでは19作品で、ミリオンセラーを達成しています。
一方L’Arc~en~Cielは1996年10月にリリースした5thシングル「flower」が累計30万枚のヒットを記録すると、12月にリリースした4thアルバム『True』がロングヒットを記録し、発売6週目での初のオリコンアルバムチャート1位とミリオンヒットを記録。そして1997年のメンバー逮捕による活動休止を乗り越え、1998年1月にリリースした8thシングル「winter fall」が初のオリコンシングルチャート1位を獲得。さらに7月には10th、11th、12thとなるシングル「HONEY」「花葬」「浸食 〜lose control〜」3作を同時発売し、「HONEY」「花葬」の2作がシングルとしては初のミリオンセラーを記録するなどして日本の音楽シーンを席巻。2019年までにシングル5作品、アルバム6作品でミリオンセラーを達成しています。またCDセールスの実績だけではなく、これまでに北米・アジア・ヨーロッパの10ヶ国を巡るワールドツアーを開催するなど、世界的な人気を誇っていることも同バンドの大きな特徴です。
【1998年】B’zとL’Arc~en~Cielがオリコンチャートで白熱の争い B’zが僅差で連続記録を死守
「B’z」と「L’Arc~en~Ciel」の音楽活動における直接的な接点は現在のところ見られませんが、両者が事実上最も”接近”したのは、1998年のこの出来事だったのではないでしょうか。
5月にベストアルバム『B’z The Best “Pleasure”』をリリースし大ヒットを記録していたB’zは、1998年7月8日、25thシングル「HOME」をリリースしました。
また一方、当時爆発的に人気を高めていたL’Arc~en~Cielも同日に、10th、11th、12thシングル「HONEY」「花葬」「浸食 〜lose control〜」3作を同時リリース。
これにより、オリコン週間シングルチャートを巡る史上類を見ない「B’z」と「L’Arc~en~Ciel」による白熱の争いが繰り広げられることとなりました。
B’zは「HOME」に角川文庫CMソングのタイアップを付けたほかに、2nd beatの「The Wild Wind」に東映・アスミック・エース系映画『不夜城』主題歌のタイアップのタイアップを付けるなど、通常のシングルと比較すると”両A面”的な売り出し方を展開し(当初オリコンでは両A面扱い、しかし正式には異なる)、さらに同曲を披露するためのテレビ出演も積極的に敢行。一方L’Arc~en~Cielも、当時非常に稀であった3作同時発売によってメディアで話題をさらい、1曲のみ収録となった「HONEY」と「花葬」を安価な611円という価格で販売するなど独自の販売戦略を見せることで対抗し、当時ハードロックを基調としたスタイルで音楽シーンでの地位を不動のものにしつつあったアーティスト「B’z」と、独自の世界観を持った楽曲でJ-POPに新しい歴史を書き加えようとしていた新進気鋭のアーティスト「L’Arc~en~Ciel」が真正面からぶつかり合うデッドヒートが繰り広げられました。
1998年7月20日付オリコン週間シングルチャート
順位 | 曲名 | アーティスト | 売上枚数 |
1 | HOME | B’z | 559,170 |
2 | HONEY | L’Arc~en~Ciel | 544,110 |
3 | 浸食 ~lose control~ | L’Arc~en~Ciel | 519,000 |
4 | 花葬 | L’Arc~en~Ciel | 507,690 |
そしてその結果、B’zはなんとL’Arc~en~Cielと1万5000枚差の僅差でシングルチャート1位を獲得し、シングル作品21作連続初登場1位記録を死守。一方L’Arc~en~Cielは同時リリースしたシングル3作品すべてが初動売上50万枚を突破し、チャートの2位から4位を占めるという結果を残しました。
なお発売2週目ではL’Arc~en~Ciel「HONEY」がチャート1位を獲得しており、この戦いがいかに際どいものであったかを窺わせる結果となっています。
今やこの「B’z」と「L’Arc~en~Ciel」のオリコンチャートでの戦いは、往年のJ-POPファンの間では伝説として語り継がれています。
【2002年】B’z松本さん、ラルクhydeさんとMステで「ちょっと寂しいよね」
2002年6月7日、B’zがテレビ朝日系音楽番組「ミュージックステーション」に出演した際には、B’zの松本さんとhydeさんがソロ出演時に直接言葉を交わしたことが明らかになりました。
司会のタモリさんが「前回松本君がソロで出演してくれたんですけどね、やっぱり二人…どうですか、一人と二人?」と質問すると、松本さんが「この前ちょうどL’Arc~en~Cielのhyde君もちょうどソロだったので、”ちょっと寂しいよね”って話は…あの時ほら、バンドの方が多かったじゃないですか?だから…でも、なかなか緊張感あって。タモリさんともゆっくりお話できたし」とコメント。これによって、B’zの松本さんとL’Arc~en~Cielのhydeさんが2002年3月1日の「ミュージックステーション」放送回で直接言葉を交わし、互いのソロ出演に”ちょっと寂しいよね”と感想を述べ合っていたことが明らかになりました。
ちなみにタモリさんは、松本さんのコメントに対して「できましたよね。ラルクとは…あれ何、”ソロの方がいいよね”って言ってなかった?」と冗談を交えて返答しており、さらにそれに対して松本さんが「彼そう言ってました?」と返すことで、この話題を締めくくられています。
【2005年】B’z、ラジオ番組でファンに”ラルク歌えるんだったら(B’zも)歌えるんじゃない?”
また2005年3月19日に放送されたニッポン放送のラジオ番組「B’zのオールナイトニッポン」では、B’zのお二人が視聴者と電話で直接話すコーナーで、L’Arc~en~Cielの話題が登場する場面が見られました。
ギター歴3年で、コピーバンドを結成しているという男子高校生の視聴者の方が、「まぁ普通にラルクとか…」と、自身のバンドでL’Arc~en~Cielのコピーを行っていることについて言及すると、
それに対して松本さんが「ラルクかー。B’zはコピーしてくれてないの?」と質問。男子高校生の方が「あ、B’zはちょっと…全体的に難易度が高いんで、あとボーカルが歌えないんで。」と回答したのに対して稲葉さんが、「え、でもラルク歌えるんだったら(B’zも)歌えるんじゃない?」と返答し、松本さんも「うん」と頷く場面が見られました。
このことから、B’zのお二人がL’Arc~en~Cielの演奏に際して必要な、高いヴォーカル技術について深く認知されていることが窺えます。
【2016年】hydeさん、B’z松本孝弘さんの自宅を訪問し、バーベキューをする
2016年8月に発売されたファッション情報誌「美人百花」2016年9月号では、hydeさんのインタビュー記事が掲載され、B’zの松本さんとの交流について言及される場面が見られました。インタビューの中でhydeさんは「普段どんな人と遊んだりしていますか?」という質問に対して「友達はいっぱいいますけど、GLAYさんとか、DAIGOくんとか、ジャンヌダルクのyasuくんとか。この間は、ロスにあるB’zの松本(孝弘)さんの家に遊びに行って、バーベキューしてもらいました。」とコメント。これによってhydeさんが、米・ロサンゼルスにあるB’z松本孝弘さんの自宅を訪問し、バーベキューをされたことが明らかになっています。
L’Arc~en~CielのhydeさんとB’zの松本さんは、どうやら親交をお持ちでいらっしゃるようです。
※ソロ名義の時はHYDEさんですが、今回は便宜上hydeさんと表記を統一させていただきました。
まとめ
ここまでご覧いただきありがとうございます。
「B’z」と「L’Arc~en~Ciel」の関係性についてまとめさせていただきました。いかがでしたでしょうか?
両者はメジャーデビューの時期が約6年ほど異なっているため、時間軸のうえではなかなか”同列”に語られることが少ないものかと思われますが、その圧倒的なセールスや実力、カリスマ性、そして日本の音楽シーンの中への貢献度や海外での活動実績という点においては、数多くの共通点を持っているものと思われます。
栄枯盛衰激しい音楽シーンの中で、長きにわたって高い人気を保ち続けている稀有なロックアーティスト「B’z」と「L’Arc~en~Ciel」。その卓越した存在は、日本の音楽シーンで未来永劫に燦然と輝き続けるとともに、今後もファンの方々に更なる幸福を届けてくれることでしょう。
今後の「B’z」と「L’Arc~en~Ciel」の更なる活躍に、期待が集まるところです。
以上、「B’z」と「L’Arc~en~Ciel」の関係性についてまとめさせていただきました。ご覧いただきありがとうございました。
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